ヘッダー画像

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ホームページ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

    
            

弦楽器はなんでもあり

2016/10/02
category - 未分類
コメント - 0
                         
 ヴァイオリンなんて、完成された楽器、だと思っていた。なにしろモノが高いし、たとえ新作でも骨董品のごとく大切に、というのが相場だった。ところが、この十年来、中国製で1万円台のが大量に出現。これに追随して日本製、米国製でも、わけのわからないものがいろいろ出てきた。

 もともと弦楽器は、たしかに脆い。ピアノのように鋼鉄のフレームならともかく、たいていが木製だ。そこにガットで何本も弦を張るのだから、その張力で限界ぎりぎり。弾き終わったら、そのつど、緩めておいてやらないと、ネックが曲がってしまう。ところが、エレキでソリッドが出てきたあたりから、やたら強いのが出てきた。ネックにトラスロッド(鋼鉄棒)なんていうのが入っている。それで、ヴァイオリンでも、エレキソリッドでいいじゃん、なんていうのも。さらに、そんなに強いんだったら、下G腺の下に下C線を張って、ビオラ兼用の5弦にしよう、なんていうのも。市販のモノもあれば、かってに改造しているのも。もとが安いから、けっこう大胆なことをする。

 ウクレレやギターの境界も、わけがわからなくなってきた。ウクレレは、GCEAで、アップでもダウンでもコード弾きが同じように響くのが特徴だが、これでメロディを弾くには、音域がソプラノリコーダ並みに狭い。そこで、Gを下Gにしてしまう人が続出。これでも、コードの抑え方は同じだからね。おまけに、およそ1.5倍にサイズアップして、それでもソプラノと同じ下GCEAにキンキンにチューンするテナーウクレレなんていうのが出てきて、でかい音を出す。逆に、ギターでも、ヤマハまでが「ギタレレ」なんていう、ギターを5フレットに詰めた小さいものが売り出した。

 ただヴァイオリンとウクレレとギターとで決定的な違いになっているのが、弦の音程間隔。ヴァイオリンは、たとえ5弦でも、下C下GDA上E。ウクレレは、下GCEA。ギターは、下下E下下A下D下G下BE(譜面はオクターブ上に書く慣習)。つまり、ヴァイオリンは5度、ウクレレは4度、ギターも4度(GBが3度)。これは、おそらくヴァイオリンがソロで音域優先なのに対し、ウクレレやギターがコード弾きの都合で、5度だと、指4本でコードを処理できない、という事情によるだろう。

 とはいえ、多重録音の昨今、ウクレレを5度で張って、上をヴァイオリンと同じ上Eに張ってソロ用にすることも、理屈では可能だ。ただし、ヴァイオリンの場合も、上Eは、巻き無しの鋼鉄線を使っている。ウクレレだと、上Eの太さは、同じテンションで張る場合、計算上は、第2弦(細い方から数える)のEの半分の重さ、つまりルート2で割った直径のものということになる。フロロカーボンなら、この細さのものでも、そうそう切れることはないが、弦が軽くなればエネルギー量も減るわけで、音量が確保できるかどうか。ヴァイオリンなら、弓の圧と早さで音量を確保できるが、ウクレレは弾く強さを極端に強くしなければならず、そうなると、こんどは音程が怪しくなって、それも高い音でのズレは大きくなり、かなり難しいかも。

 逆に、ヴァイオリンのコマを取ってしまい、4度チューンにしてコード弾きする「ヴァイオレレ」もある。ウクレレにガット弦で弓で弾く「ウケリン」も。最近は、ギターをそのまま小さくしたような「ウスレレ」も人気だ。そこらの木製の空き箱にネックさえつければ、なんでも楽器になる。それも、フロロカーボンの釣り糸が驚くほど品質が良くなっているので、でかいのでも、ちいさいのでも、弦の太さも、長さも、やりたい放題。

 ハープやリュートも、もとをたどれば、けっこうでたらめな規格だった。それが、材質や弦の都合で現在のものに淘汰されていただけ。材質や弦が自由になれば、可能性は広がる。ゲテリン、ゲテレレなどバカにする人、自嘲する人もいるが、昨今、フルートは金属製が主流だし、弦もガットなんか使っている人の方が珍しい。ギターも、クラシックよりソリッドエレキの方がはるかに数が多い。音の可能性は、未来に開かれている。
                                 
                                      

コメント

非公開コメント