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『おそ松さん』の色彩設計

2016/04/10
category - 未分類
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 あれ、垣田由紀子だ。水色と藤色の濫用、これにピンクと黄色を合わせるなどというむちゃな色彩設計は、2010年に彼女が手掛けた『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』にもすでに見られる。あれは、もともとアメリカンカトゥーンを意識して真似たもので、その影響もあるが、米国のカトゥーンだと、アフリカ系の女の子の肌の色に合わせやすい好みで、濃色の紫やピンクの濫用が特徴的。それが日本に来て、パステルカラーのごちゃごちゃになった。

 とはいえ、この手のパステルカラーのごちゃごちゃは、すでにバブル期の原宿や清里あたりにも出現していた。78年から連載され、81年にはアニメにもなった『おはようスパンク』あたりもそうだし、これに続く『ミンキーモモ』なんか、藤色、ピンク、黄色、水色のオンパレード。これは、それまでのCMYKインクの合成では出ない特色で、この特盛りは、少女コミックで濫用され、圧倒的な支持を得る。ペンキやセルでも、この手のパステルカラーは発色が安定せず(色素に白を混ぜただけではムラになる)、また褪色がひどいため、このころまでなかなか実用に至っていなかったが、蛍光色とともにバブル期に開発が進み、サンリオのような女の子向けガラクタ小物の「ファンシーショップ」の蔓延とともに、一気に女性たちの心をつかんだ。

 この色合いは、圧倒的な日本の女性色。男では、鳥山明が80年から連載した『Dr.スランプ』で使おうとしたが、雑誌ではアメリカンカトゥーンのような濃色になってしまった。2005年に出てきたゲーム『アイドルマスター』あたりでも、アイドルの女の子らしさを強調しようとパステルカラーを使おうとしているが、やはりあまりうまくいっていない。

 青は男の子、赤は女の子、というのはジェンダーの決めつけだ、などと、70年代のウーマンリヴの連中が騒いだが、彼女たちがシンボルにしたのは、パステルピンクのヘルメット。どうも文化的なジェンダーではなく、生理的で先天的な性別能力と色の関係があるとしか思えない。あのとんでもない不思議な色合いは、おっさんではなぜかどうしても使いこなせないのだ。

 一般の社会では、あのパステルカラーのぶっとんだ色合いは、あまりそうそう見かけることはない。だが、わけのわからないファンシーショップや、ガールズシューズ、女の子向けのおもちゃやアニメなどでは、あの不思議な色合いが溢れ返っている。歴史的に見れば、着物の色合いでも、あの色遣いに近いものは昔から少なくない。いくら男女平等と言っても、結局、表は男の世界で、おっさんデザイナーたちが独善的な自分たちの好みの色合いで世界を塗りつぶしてきてしまっているのか、逆に思い知らされる。
                                 
                                      

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